'sqr'atch-note

ちりはつもれど ちりぬるを

"What's Got You Here Won't Get There"

マネジメントキャリアパスに推奨参考書図書としてあげられていたので、買って読んだ。

原題は"What's Got You Here Won't Get There: How Successful People Become Even More Successful"であり、本書の中にある訳をそのまま引用すれば"今までのやり方では、これから先はうまく行かない"になる。翻訳にあたって、タイトルが良くない気がする。エグゼクティブコーチとして筆者が、これまで成功を収めてきた人たちに対してアドバイスしてきた経験を煮詰めて説明してくれている本。通読してみて、セクションI-2は良かったように思う。

この本には、ただ一人の能力によって大きな成果は見込めず、協力すなわち対人関係によって成果が導かれ、その対人関係における自然の法則―それが自分にとってなんの得になるのか?―を前提に、20の悪癖を取り上げ、自分を変えていくためのアドバイスが書かれている(本の中では「現在地」を見失った人という表現がされている)。

この本で取り上げられている例の多くはすでに成功しているエグゼクティブだと思うが、20の悪癖に書かれているような悪癖を持っていて、どうしてエグゼクティブになり得たのか?っていう疑問がつきまとった。あまりにも人間性に問題がある気がしてならないことがリストになっている。リストの1番目である負けず嫌いについては、そうかもしれないと思えるが、その他については分からない。多くのエグゼクティブに会った筆者が導き出した悪癖なんだから、たぶんそうなんだろう・・・。であれば、普段の自分は恵まれていると痛切に思う。

マネジメントキャリアパスを気になるところだけ拾い読みしていたけど、この本を読んだ後に、マネジメントキャリアパスを読むとまた違う形で読める気がした。ただ、こういう自己啓発本を読んでも"その気になるだけ"なので、注意を払っておきたい。