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ちりはつもれど ちりぬるを

『プロセッサを支える技術』読了

本書は、初版が2011年で、もう10年前の本(それ以降版は重ねられていない)である。この10年の進歩からみると、古すぎるのではないかという気がして読めずにいた。ただ、そう思って読まないより、本書の内容をベースにして、2020年までの進化を追ってく感じで学ぶと多少理解の助けになるのかなと思い直して買って読んだ。

目次

  1. プロセッサとコンピュータシステムの基礎
  2. プロセッサの変遷
  3. [詳説]プログラマのためのプロセッサアーキテクチャ
  4. 仮想化サポート
  5. マルチプロセッサの出現と普及
  6. プロセッサの周辺技術
  7. GPGPUと超並列処理
  8. 今後のプロセッサはどうなっていくのか?

読んだ箇所

基本的なプロセッサの仕組みが知りたかったので、その周辺をピックアップして読んだ(本書のテーマからして大半の部分ではある)。加えて、4章の仮想化技術は興味ある箇所なのでピックアップした。

  • 1章、2章、3章、4章、6.2節、7.1節、8章

感想

まずこの本はプログラマが高速なプログラムを書くためにプロセッサのアーキテクチャを知っておくことは有用だという背景で書かれている。しかし、プログラマではないので、そういった観点では読めてはいない。

Hisa Andoの他書もそうだが、恐ろしく内容の濃い技術を300~400ページの1冊に収めているので、どうしても記述が抑えられてしまい、初学者としては分かりづらい部分が多い気がする。紙面に限りがあるため、どうしたって記述は削る箇所、説明を簡潔にすべき箇所があるので、仕方ないことだと思う。そのため、本書をとっかかりにして要素の理解を調べて補っていく必要があるように感じた。また、構成を真似して、この10年くらいで進んだアーキテクチャの拡張を都度都度調べていこうかなと考えている。第3章では、Nehalemアーキテクチャを例に命令セットやマイクロアーキテクチャの解説がなされているので、これを参考にして今の最新マイクロアーキテクチャを見ていくとどう変わったかが分かって面白い気がする。