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ちりはつもれど ちりぬるを

『失敗の本質』読んだ

この本は、だいぶ有名な本(だと思う)なので、存在を知ってから結構時間が経ってしまって、知った切っ掛けが何だったのかは記憶から消えてしまった。そんな感じで忘れていたのに、なぜいまさら読んだのかというと、最近日本のソフトウェア産業がなぜ弱いのかみたいな所を調べてたりしてて、日本の組織について考えてたら、ふとこの本があることを思い出したから。

本書は、ノモンハン事件ミッドウェー海戦ガダルカナル作戦、インパール作戦、、レイテ海戦、沖縄戦の6つの戦闘を取り上げて、なぜ日本軍はここまで大敗を喫したのか、負けるにしてももう少し負け方があったのではないか、という疑問から、敗戦に至るまでの日本軍の組織的問題点を分析して、それが現代の日本社会に脈絡と受け継がれてしまっているのではないかと考察した本。過去に起こったことに対して、別の選択肢を取ればもっと良い結果になったと後知恵バイアス的な解釈をするのは簡単ではあるが、本書はそういう分析ではなく、各戦闘でどうして作戦実行に至ったのかというプロセスに焦点を当てて考察を行っている。また、合理性、効率性に相反する行動をとった日本軍の組織について考察を行っている。

読み終わってみて、戦争に至るまでの経過を見ると、結果は自然で必然だったのかなと思わないでもないけど、大東亜戦争の中で修正することは可能だったのかなとは不思議に思う。