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ちりはつもれど ちりぬるを

『LINUXシステムの仕組み』感想

評価:★★★☆☆

  • Linuxを運用管理するユーザ向けの本で、なんらかのディストリビューションをある程度触った後に読んだほうがためになる本だと思った。
    • 入門書として、まず手始めに読むのは、少々厳しい気がした。
    • 本当の意味での初心者は、「Linuxの絵本」、「本気で学ぶ Linux実践入門」から入ったほうが良さそう。「新しいLinuxの教科書」は、CLI操作メインなので、ちょっと指向が違う。
    • プロセス管理、メモリ管理などKernelの役割について、動きをより詳しく知りたい場合は、「Linuxのしくみ」を読むと良さそう。
  • ブートローダの説明とinitプロセスの起動が書かれている第5、6章は面白かった。こういう部分をインターネットから調べて学ぼうとすると、大体が断片的な情報かつ正しいのかどうか分からない情報なので、こういう風に整理されているのはありがたい。
  • その他、全体について
    • 原文の書きっぷりが、ちょっと特殊というか、やさしくは書かれていないので、ある程度は仕方ないのかもしれないが、訳出された日本語が読みづらい
    • パーミッションのotherを「アザー」と訳している(p38)が、「他のユーザ」の方が自然じゃないか、resourceを「資源」と訳しているが、そのままリソースと書いたほうが自然じゃないか、authorizationを「権限付与」としているが、認可の方がより定着した日本語ではないかとか、ちょっと気になった。
    • あと気になった細かい所
      • 6.3.5(p155)、Type=forkin => forking
      • 6.6(p172)で原文のステップ7が抜けている
      • p174、サービスの全体的な混乱を経る→極めて多くのサービス
      • 他にもあるけど本質的ではないので省略