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ちりはつもれど ちりぬるを

『TCP/IP&ネットワークコマンド入門』読んだ

TCP/IPプロトコルスタックの4層をPart1〜Part4に分けて、コマンドを入力し手を動かし目で見て理解していくという構成になっている入門書。コマンドベースで手を動かしながら各層の動きを見ながら理解していけるので、初心者にも取っつきやすいのでは無いか。

  • 理論が要点を押さえてコンパクトにまとまっており、理論を確認するために手を動かしコマンドを入力してパケットキャプチャを使って目で見て確認するという構成で、理論と実践のバランスがとても良くて、入門書として非常に良いと思った。人にお勧めしたい。
    • 各Partの扉絵に内容のガイドが書いてあり、今から何をするのかと分かりやすいと思う。
    • (本文p97)
    • そして、文章が読みやすく、図表も多用されている上に、図には吹き出しでコメントも入っており、本文の作りが丁寧。
  • 少しネットワークコマンドで操作したことがあるくらいの人は、結構楽しく読めるのでは無いかと思った。
  • 入門書にありがちなのは本当に基礎的な話しかしておらず、まあ確かに入門書だけど次に繋がりづらい入門書だという場合があるけど、本書は新しめのQUIC、HTTP/3に加えて、発展的内容としてNetwork Namespaceを使ったネットワークの確認方法も書かれており、良かった。
    • キーワードが抑えられているだけでなく、パケットが正常に流れている状態を観察するだけでは無く、パケロスを発生させてみて観察する箇所もあり良い。
  • 本書を読んだ後、もっとTCP/IPについて知りたいと思ったら『TCP/IPネットワークコンピューティング入門』がおすすめ。
    • また、TCPに特化して詳しく知りたいという場合は『TCP技術入門』がおすすめ。こっちはTCPの機能のうち特に輻輳制御について詳しく書かれている。輻輳制御はTCPの肝の機能であるため、輻輳制御アルゴリズムをちゃんと理解しておけば、TCPを分かってると言っても良いのではないかなと個人的には思っている。