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ちりはつもれど ちりぬるを

iPadで電子書籍を読む

2018年にタブレット端末を買った時に、技術書をPDFやKindleで読むために色々考えてみたものの、自分なりにしっくりくるスタイルが確立できなかったため、基本的に技術書は紙の本で読むことにしたんだけど、iPad miniを使って現時点では最も良さそうなPDFの技術書の読み方が確立できた。

  • 技術書を読む話なのに、今回主に試したのは技術書ではなかったりする。。

TL;DR

  • iPad miniで技術書を読むときは、「PDF Expert」を使うのが個人的にしっくりきた
  • スタイラスペンも買ってみたけど、技術書(PDF)を読むときにはあまり要らない気がした
  • ただし、技術書を紙とPDFのどちらで読むかは決めきれなかった

読書スタイル

  • なぜこういう結論に至ったのか説明する前に、ぼくがどういう感じに読書をしているか書いておく。
  • 紙の場合は、本に直接メモしたり線を引くというのは、どうしても精神的な抵抗があって無理なのでScrapboxにメモを書きながら読んでいる。
    • 文章を読みながら、気になった箇所をScrapboxにページ番号とともにメモをする。
    • Scrapboxの読書メモは、1冊分のメモ=1ページに収めている
      • 本当はページを分割してキーワードでリンクする、のが本来のScrapboxの思想に沿ったやり方だけど、ページが分かれてしまうと内容の一覧性が劣ってしまうため、本の場合は「1冊分=1ページ」のやり方に落ち着いた。
    • 1冊読み終えたら、そのページを読めば内容がわかるサマリを作り上げる感じ。
      • 後でそのサマリを読み返したときに、内容が掴みづらいような箇所は再度、原典を読み返して、サマリを修正・追記などしてブラッシュアップしていく。
  • Kindleのリフロー版の場合は、文章にマーカーを引いて、その注釈の一覧が本のサマリーとなるようにする。
    • 一覧を通して読めば、本の内容が大体分かるのを目指す。
    • 固定レイアウト形式の場合はこれは使えないので、紙の本と同様にScrapboxにノートを作る。PDFの場合も同じ。
  • 以上が、これまでやってきた読書方法だけど、iPad miniを5月に買って、そういえばiPad miniスタイラスペンを使えば手書き出来るなと思い、もしかしたら書き込みながら本を読むスタイルが実現できるんじゃないかなと考え、再度電子書籍の読み方を検討してみることにした。
  • そうなると、とにかくスタイラスペンが必要で、ただiPad miniスタイラスで文字を書き込むってのは、実際のところ書き心地どうなのかとかが全く想像できず、お試しで手を出すにはApple Pencilは2万円もするので躊躇してしまった。
    • なので、安い中華製の謎スタイラスの中で選ぶことにして、ワイヤレス充電に対応していること、価格が安いことを基準として、色々種類ががありすぎてよく分からなかったけど、STOUCHI iPadペンシルを選んだ
      • 重さも適度にあるし、質感も良くて結構気に入った。質感については、Apple Pencileを店舗で触ってみたら、ほぼ同じな気がした。
      • 使うときは、iPad本体に磁石でくっついているので、外して付け直すとペンをiPad本体が認識して書けるようになるので、ほとんどストレスはない
  • 次に、PDFに書き込んだりするアプリとして何が良いのかとググると、GoodNoteが一番有名所だったので、まずはGoodNote 6を試してみた

Goodnoteの感想

Pros

  • スタイラスで書き込んだ文字が検索出来る!
    • 日本語でも認識精度が結構高い。これは純粋に感動した😆
    • ただし、書き込んだメモだけを検索するというのは出来ないので、ちょっと不便。あと、書き込みしたメモだけを一覧表示も出来ない
    • でも、PDFにエクスポートしても、書き込んだ文字は検索できる形で出力されるので素晴らしい
  • 取り込んだPDFのページ間に白紙のページを追加できる
    • 差し込んだページに手書きで図を書いたりして内容を整理するような使い方が出来そうだし、良いと思った

Cons

  • Kindleのようにマーカーを引いた部分を一覧で表示するような機能はない
    • 付箋オブジェクトを貼り付けて、何らかのキーワードを手書きして、検索して一覧にするみたいな使い方はできる。ただ、これだと検索結果では、どの文に目印を付けたのかわからないし、不便だと思う。
  • 使用できるペンの種類が3種類しか無くて、残念
  • GoodNotes 5までは980円の買い切りアプリだったのに、最近リリースされたGoodNotes 6は年間サブスクリプション(1350円/年)が基本になって、買い切りの場合は4080円になってしまった。

数日使ってみて

  • しかし、数日使ってみて、手書きで文字を書き込む必要性は無いなと結論に至った。ので、GoodNoteである必要性も低い。
    • iPadにはフィルムを貼ってないのでツルツルとしてるため、文字を書くのが難しく、文字がガタガタしてしまい、良くなかった。丁寧にゆっくり書けば問題はないのだけど、それじゃあ書き込むのが遅くなってしまうため、せっかくデジタルなのにアナログよりも不便な感じする。
    • それなら、キーボードを使って入力したほうが圧倒的に速いため、別に手書きである必要性が見いだせなかった。「?」「c.f. pXX」みたいなちょっとした記号でメモする分には速いが(文章の校正のときには、便利だろうなと思った)。
    • で、改めてやりたいことを考えてみて、「マーカーが引ける」、「マーカーを引いた箇所を一覧表示できる」が個人的には一番必要な機能かなと整理した。
    • そういった観点で改めてアプリを調べるとPDF Expertが良さそうだった。

PDF Expertの感想

Pros

  • 本文にマーカーを引いた箇所、挿入したメモの内容が一覧表示できる
    • 注釈はHTMLに出力もできる。しかし、非常に使いづらい。謎の形態素に分割されspanタグで囲まれてしまう。
    • <span class="highlight _2dcd0031f8e84dd">次 </span><span class="highlight _2dcd0031f8e84dd">のコードも</span>
  • iCloud Driveから直接PDFを開くので、課金をしなくても開けるPDFのサイズに上限がない
    • 直接アプリで開いているので、注釈をつけると同期されて、特別意識しなくても別端末でも注釈が見られるのが便利
    • ただ、Windowsの場合は、PDFを開くアプリは気にする必要があって、MS EdgeではPDFに書き込んたメモの中身が表示されない。
    • Adobe Acrobat Readerではメモの内容もちゃんと表示される。手書きで書き込んだ箇所も「鉛筆」という名前で表示される。

Cons

  • 注釈の一覧が文字化けするケースがある。

最後に

  • いろいろ試してみた結果、自分が求める機能は実装されてるし、PDF Expertで十分だと思った。
  • iPad電子書籍を読むスタイルは、ある程度固まったけど、結局技術書を紙の本にするかPDFにするかは、ここまで試してみても、結論が出せなかった。
    • というのも、紙の本の匂いや、手触り、そういった部分も含めて読書の一環として楽しんでいおり、PDFではそういうのは無いので味気ない読書体験になってしまうため。
  • あと、PDFの場合、すべての出版社のPDFをまとめて取り扱っているネットショップが存在しないので、出版社ごとに個別のストアで購入する必要があって想像以上に不便だった。Amazonならすべての出版社の本が買えるのに。
    • 一応、マイナビが運営しているManateeは複数出版社のPDFを扱ってはいる。
    • さらには、PDFで文字列のコピーや印刷を制限(SEshopがこれ)したりしてて、取り扱いが微妙。オライリーは、完全フリーDRMのPDFのため非常に好感が持てる。
  • PDFは持ち運びが楽だけど、かと言ってそれが完全にPDFが良いと思える決定打ではなく、不便な点もいくつかあるため、結局どっちにしようかなと悩んでしまっている。
    • ラムダノートのように、紙の本の値段にちょっと足せばPDFも買えるって形にしてくれると非常にありがたいのだけども。